MEMBER PROFILE

本記事の情報は取材当時のものです。

A.Tさん

中途入社19年目

本プロジェクトのプロジェクトリーダーとして開発現場を統括。計画立案・推進から、リリース後の利用説明や顧客対応まで幅広く担当する。

Y.Oさん

新卒入社3年目

開発担当として画面周りの設計・実装を担当。ユーザービリティテストやインタビューを行い、現場目線での使いやすさの改善に取り組む。

M.Nさん

新卒入社26年目

開発プロジェクト全体の統括を担当。お客様とのコミュニケーションを重ねながら、要件定義から設計、実装、運用保守までの全工程を管理する本プロジェクトの統括責任者。

Chapter 01

M.Nさん

「災害時都民台帳システム構築プロジェクト」は、東京都内の62にも上る区市町村がそれぞれ保有している被災者情報を集約・一元化し、災害時の支援業務を行う仕組みを構築するプロジェクトです。

東京都では、東日本大震災や熊本地震といった大規模災害以来、住家被害認定調査や罹災証明書の交付、生活再建支援事業を、より迅速かつ効率的に行う必要性が高まっていました。

一方で、都として被災者情報を一元的に把握する仕組みがなく、各区市町村が管理する情報を広く活用できていないことが課題だったのです。そこで開発されたのが、「災害時都民台帳システム」です。このシステムは、被災者の氏名などの情報を集約・集計し、東京都各局による生活再建支援業務の迅速化を実現します。さらに、お住まいの区市町村外へ避難した被災者へも、自治体の枠を越えた広域的な支援が可能になります。災害発生時の混乱を最小限に抑え、必要な支援を適切なタイミングで届ける。 災害時都民台帳システム構築プロジェクトは、そうした役割を担う社会インフラとして構築されました。このプロジェクトは、東京都が推進する都政の構造改革「シン・トセイ」においても、象徴的な取り組みとして位置づけられています。

Chapter 02

A.Tさん

このプロジェクトは⼊札によって受注が決まり、CIJがシステム開発から保守までを⼀貫して担当しています。
特に私たちの技術力と、お客様にとって付加価値の高い提案をご評価いただき、開発を担うことになりましたが、プロジェクト開始時には⼤きく4つの課題がありました。

1つ目は、多くの関係者が経験したことのない業務をシステム化する点です。何を、どこまでシステム化すべきかが明確でなく、お客様とともに手探りで要件定義や基本設計を進める必要がありました。

2つ目は、行政専用の閉域ネットワークである「LGWAN(エルジーワン)」上にシステムを構築するという、CIJとして未経験の領域への挑戦でした。

3つ目は、膨大なデータを収集・分析し、迅速な意思決定を支援する「BIツール」や地理空間情報を重ね合わせて分析・管理・可視化する「GIS」などの高度なパッケージ製品を用いながら、お客様が納得する形でシステムに落とし込む方法を見出すことでした。

そして4つ目が、東京都という当社にとって初めてのお客様とのコミュニケーションや折衝です。

こうした要素が重なり、このプロジェクトはCIJにとって前例のない挑戦となりました。また、すでに多様なシステムが開発済みである昨今においても珍しく、お客様との関係性から、システムの要件まで、本当の意味でゼロからつくり上げていく開発だったと言えます。

Chapter 03

A.Tさん

このプロジェクトで特に難しかったのは、「災害時という、日常業務とはまったく異なり、かつ誰も経験したことのない業務を、どうシステムにするか」という点でした。システムを使う場所や担当者は想定できても、「何を、どこまでシステム化するのが適切か」という共通認識を持つまでには、かなり時間がかかりました。お客様は、CIJでの開発に着手する1年以上前から、システムの「あるべき姿」について議論を重ねてこられました。一方で、システムでの具体的な実現方法については、開発を担う我々と詳細を詰めていく必要がありました。

そのため、最初の4か月間は要件定義にじっくり向き合い、「災害時に、誰が何をどう行うのか」をケースごとに1つずつ整理しました。他の都道府県の事例も参考にしながら、少しずつ積み上げていきましたね。そしてもう1つの大きな壁が、お客様の機能へのご期待がおのずと広がってしまうことでした。

M.Nさん

前例のないプロジェクト、かつゼロからつくるシステムだからこそ、「被災状況を地図で可視化したい」「蓄積データをもっと高度に使いたい」と理想が膨らみがちでした。ただ、それをすべて実装すると、コストが増えるだけでなく、実際には使われないシステムになってしまう可能性もあります。そこで私たちは、「お客様が欲しいもの」と「本当に必要なもの」を分けて考えることを意識しました。丁寧に対話を重ねながら、「派手な機能より、まず確実に使えることが大事ですよね」と確認し、機能を絞り込んでいきました。

加えて、特に慎重になったのが個人情報とプライバシーの扱いです。氏名や住所に加え、非常にセンシティブな情報も含まれるため、「誰が、どこまで見てよいのか」は何度も議論しました。災害対策基本法などの法整備の流れも踏まえながら、「この画面で、この立場の人がこの情報を見て問題ないか」をケースごとに細かく確認。早い段階でシステムのデザインや画面イメージを共有し、認識のズレが生じないようにしたのも、その一環です。

Chapter 04

Y.Oさん

このプロジェクトは、10名ほどのメンバーで進めていました。開発担当としては、何を作るのかが明確になれば、あとはCIJがこれまで培ってきた技術やノウハウを結集し形にしていく段階になります。そのため、開発の実装段階に入ってからは、大きなトラブルなく進めることができたと感じています。うまくいった理由の1つは、対面でのコミュニケーションを重視していたことです。プロジェクト開始時、私は入社したばかりで分からないことも多かったのですが、社内は積極的に話ができる雰囲気がありました。プロジェクトリーダーとは席が隣だったので、困ったらすぐに相談できる環境だったこともありがたかったですね。ベテランと若手が混在するチームでしたが、席を近づけ、毎日ミーティングを重ねることで自然と結束力が高まりました。各工程で成果物を確認するレビューの場でも、若手・ベテラン関係なく意見を出し合えたのも、このチームの良さだったと思います。

開発にあたり特に気を配ったことは「実際に使う人の目線」を重視することです。開発途中の段階で、東京都の職員の方や、実際にシステムを利用する区市町村の職員の方に触ってもらい、使い勝手について意見をいただく時間を設けました。システム開発では、リリース直前にお渡しして初めて課題が見つかる、ということも少なくありません。しかし、このプロジェクトでは事前に触ってもらい、その意見をもとに改善を重ねることができました。その結果、システムに対する課題だけでなく私たちの意図も丁寧に伝え、納得して利用してもらえるプロセスをつくれたと感じています。災害時という、日常とは違う緊張感のある場面で使われるシステムだからこそ、使う人にとって「迷わず使えること」が何より大切です。目の前の問いに向き合いながら、チーム全体でより良い形を探っていく。その積み重ねが、このプロジェクトを支えていたのだと思います。

Chapter 05

Y.Oさん

自分の手で作ったシステムが実際に動き、目の前で使われているのを見て、初めて「本当に作ったんだ」と実感しました。入社して間もない立場ではありますが、これまで学んできた技術を社会に役立つ形で還元できていると感じられることは、自信につながっています。未経験からでも学ぶ意欲を持ち、周囲と積極的に関わっていけば、社会に貢献できる仕事ができる。その環境が整っていることは、CIJの大きな強みだと思います。

A.Tさん

ゼロからの開発でしたが、「良いものが作れた」という手応えは大きかったですね。大規模な情報や個人情報を扱うシステムに対しても、きちんと考え抜いた設計ができ、自信を持って世に送り出せるものになりました。エンジニアとしては、自分の技術的な狙いがうまくはまった瞬間の喜びも大きいです。罹災状況を地図上で可視化するという要望に、端的に応えられたと感じています。身につけた技術を社会に還元できる仕事だからこそ学び続ける意欲も生まれますし、会社やプロジェクトに育ててもらっている実感があります。

M.Nさん

このシステムは「作って終わり」ではありません。災害が起きたとき、きちんと役割を果たせるかという不安と向き合いながら、「できれば使われないでほしい」との想いを胸に、今も保守を続けています。CIJが掲げる企業理念「情報技術で人と社会にやさしい未来を創造する」を、公共性の高いシステムを通じて実現していく。その積み重ねが、社会から選ばれ続ける企業につながるのだと思います。そして何より、自分たちの仕事が誰かの役に立っていると実感できることが、この仕事の一番のやりがいです。

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